2025年06月05日
ホスピタリティ・マネジメント・プログラムの特別講義「デスティネーション・マーケティング」を担当する村木智裕先生は、2023年から毎年、同講義の履修者のうち希望者を対象に現場視察ツアーを実施しています。授業で取り上げた地域を訪れ、デスティネーション・マーケティングに携わる地域の人々と交流し、自らさまざまな体験をすることを通じて、地方創生プロジェクトを理解することを目的としています。一橋ビジネススクールの教育方針である「理論と現実の往復運動」を体感できる場として本講義の魅力になっており、例年多くの履修者が参加を希望しています。
今年は、昨年度の履修者から5名の希望者が参加し、5月9日(金)から11日(日)まで、瀬戸内地域を視察しました。訪問先や体験内容、ホテル、飲食店など、すべて村木先生のアレンジで、各所の紹介や説明もしていただきました。歴史や最近の動きなど、なかなか知ることのできないお話を聞くことができ、とても充実した研修となりました。
参加者の感想
「デスティネーション・マーケティングとして何を狙い、どのようなことを仕掛けてきたのかという村木先生の解説も踏まえて、現地にもたらされた実際の変化を体感できたことは貴重な体験でした。やはり情報として知るだけでなく、足を運んで見聞きすることには大きな価値があると思います。視察先で出会った方々も皆親切で、良くしていただきました。どれも村木先生のこれまでの積み重ねの上に成り立っているもので、他のツアーでは得られない体験でした」
「MBAの仲間と一緒に参加できたことも大変良かったです。みんなそれぞれの着眼点があり、自分1人では見落としていたことにも気付かせてもらうことができました。1人旅の何倍も感受性高く旅をすることができたと思います」
「自分ではまず行かないであろうスポットの数々でしたが、村木先生の解説のおかげでその魅力と非日常感を存分に体験できる充実したツアーでした。それぞれの観光スポットが、強い個性を出しつつも地域の歴史・文化・景観にマッチしているのがとても印象的でした」
「授業の内容を、実際に見て肌で感じながら、DMO(観光地域づくり法人)や瀬戸内について理解を深めることができ、非常に有意義な時間となりました。土地の観光資源を丁寧に保存したり、新しいものに変換したり、地域全体を巻き込みながら観光産業に取り組んでいることに感銘を受けました。昔からある自然や食材に対して誇りや自信を持っているからこそ、コンテンツひとつひとつのポテンシャルを引き出すことができ、魅力あるものにできているように思いました。同時に地元愛のような温かい雰囲気があることも魅力だと思いました」
「濃い3日間でした!先生がどの場所も詳しく説明をしていただいたことで、魅力を引き出しどのように共感させ、観光者としてその土地に訪れさせるのかという点を感じながら周れました。昨年の授業の学びを実地で感じることができ、学びを深めることができました」
「学びと楽しみに満たされた二泊三日でした。実際に瀬戸内へ行ってみて、現地の安らぎと活力ある雰囲気を存分に体感することができました。活力があふれる背景には、人が集まり紡いできた歴史、風土の特徴を映したもの、生み出されてきた富、人から人へ伝えられる知恵や思い、それらをつなぐ営みが見えました。そうした営みを経て、訪れる者にとっても魅力のある地域を形成しているということは、まさに実践としての経営の到達点の一つだと思いますし、地域の中で競争ではなく共生によって成立していることが、安らぎある雰囲気を作っているのだと感じました」
「ただ行って帰るだけではない、瀬戸内の歴史、気候、景色、産業に全身で飛び込んだかのような体験は、これからの自分の人生の中での旅行のあり方を変革させるようなインパクトがありました。新鮮なレモンを使った食を味わいながら、レモン生産が発達した風土を感じ、ジーンズ製品のショッピングを楽しみながら、産業の歴史を考え、点と点がつながって線、線が面となるように、触れたものがどんどん立体化していくような感覚でした」