HUB-SBA MAGAZINE

AACSB国際認証取得により一橋大学が目指すもの

2023年09月21日

2021年7月、本学大学院経営管理研究科・経営管理専攻/商学部(SBA)と、大学院経営管理研究科・国際企業戦略専攻(ICS)は、それぞれAACSB国際認証を取得しました。取得から2年が経ち、SBAにおけるこれまでの歩み、現在の取り組み、展望について、SBA国際認証担当の経営管理研究科、加賀谷哲之教授と特任助教の関根綾さんにお話を伺いました。


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はじめに、AACSBとは正式名称The Association to Advance Collegiate Schools of Business (AACSB) で、1916年にアメリカのビジネススクールが中心となって設立された、マネジメント教育における世界最大、かつ最も長い歴史を持つ認証機関です。厳格な認証プロセスを通じて、ビジネススクールの教育、研究、カリキュラム、および学習者の成功において、最高水準の品質を満たしています。日本の国公立では初の取得で、世界の著名な大学を含め、950校を超える教育機関がメンバーとなっています。国際認証取得後も5年ごとに審査を受けて合格する必要があり、これによりグローバルにおける、経営学を教える高等教育機関(ビジネススクール)の学びの質が保証されています。

AACSB国際認証取得の歩み

関根綾さん(経営管理研究科 特任助教)

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私は、2019年よりAACSB国際認証取得に関わるさまざまな業務を担当しています。AACSBは、何ごともエビデンスに基づいて評価します。私の主な業務は、AACSBが提示するスタンダード(評価基準)においてSBAの取組みがいかに進捗しているかをデータにし、エビデンスを示すことです。例えば、必修科目の知識がちゃんと身についているかなどの調査や、コミュニケーション能力を計測するために、グループワークがあるようなゼミなどで、積極的に発言して参加していたかどうか、などについて、先生方に評価してもらいデータ化しています。

今、特に注力しているところは、時代に合わせて追加された「SOCIETAL IMPACT(社会貢献)」という新しいスタンダードのための測定指標の設定などです。緑化や二酸化炭素の削減、貧困の解決など、どんな貢献でもよいのですが、自由なだけに何を選ぶのかが難しいのです。また、どうやって、そのインパクトを測定するのかというのも容易ではありません。インプット、アウトプットまでは把握できますが、アウトカム、即ち社会にどのような影響があったかというところまでは中々たどり着けない。そこはほかのスクールも苦労されているところなので、情報の交換などをしながら進めています。苦労もたくさんありますが、データには物事を動かす力があるので、組織の改革に関わることができる、やりがいのある仕事です。また、認証取得プロセスにおいては、外部の評価機関がいい意味でプレッシャーをかけてくることで、教育や研究でどういう成果を上げなければいけないのかを考え、議論する機会ができるのは、研究科にとって大きなメリットだと思います。

学生のみなさんには、一橋は国際認証を取得しているスクールであるということはもちろんですけれども、まずはこういう教育、こういうリーダーシップを輩出していこうというスクールだということを理解していただくために、ぜひスクールのミッションに興味を持っていただきたいです。また、皆さんは世界的なAACSBという認証機関に、質が担保されている教育を受けていらっしゃるということを知っていただけると嬉しいです。

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一橋大学が目指すもの

加賀谷哲之(経営管理研究科 教授)

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左から加賀谷哲之国際認証委員長、
福川裕徳専攻長

大学院経営管理研究科・経営管理専攻/商学部(SBA)では2021年7月にAACSB国際認証を取得しました。経済や社会におけるグローバル化が進展するなか、ビジネススクールでもより世界を意識した取り組みが不可欠となっています。こうした取り組みを進めるにあたって、国際認証は欠かせません。海外のトップスクールとの教育面、研面等での交流を行うにあたっては、国際認証の取得が前提となるためです。2021年7月にAACSB国際認証を取得して、改めて実感したのは、教育・研究活動などの取組みとその成果を定点観測し、研究科・学部の取組みを改善し、教育・研究の質を継続的に向上させることを組織全体で取り組むことの重要性です。またそうした取り組みや成果を外部ステークホルダーに報告し、アドバイスを得ることでその取り組みを進化させていく姿勢も重要です。我々は国際認証の取得プロセスを通じて、カリキュラム改革を推し進めたほか、国際業績を増大させることができているなど着実に教育・研究の質を高めることに成功しています。

我々は現在、Leadership、Innovation、Integrityという3つのミッションを重視しつつ、アジアでのトップスクールとして主導的なポジションを確立することを目指しています。国際認証の取得・継続プロセスを通じて、今後も研究・教育活動の質を磨き高めつつ、そうした目標達成に向けて尽力してまいります。

国際カンファレンス

2023年6月にシドニーで、AACSBのアジア、パシフィック地域のカンファレンスが開催されました。このカンファレンスは、海外のビジネススクールと現状や取り組みなどの情報交換ができる、貴重な場となっています。

関連過去記事:
2021年7月30日掲載:大学院経営管理研究科・経営管理専攻/商学部 AACSB国際認証を取得
2021年12月22日掲載:HQウェブマガジン 「SBAとICSがビジネススクール国際認証(AACSB)を取得」
2022年5月11日掲載:AACSBのカンファレンスでSBAの取り組みを発表しました。

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