2023年09月21日
関根綾さん(経営管理研究科 特任助教)
私は、2019年よりAACSB国際認証取得に関わるさまざまな業務を担当しています。AACSBは、何ごともエビデンスに基づいて評価します。私の主な業務は、AACSBが提示するスタンダード(評価基準)においてSBAの取組みがいかに進捗しているかをデータにし、エビデンスを示すことです。例えば、必修科目の知識がちゃんと身についているかなどの調査や、コミュニケーション能力を計測するために、グループワークがあるようなゼミなどで、積極的に発言して参加していたかどうか、などについて、先生方に評価してもらいデータ化しています。
今、特に注力しているところは、時代に合わせて追加された「SOCIETAL IMPACT(社会貢献)」という新しいスタンダードのための測定指標の設定などです。緑化や二酸化炭素の削減、貧困の解決など、どんな貢献でもよいのですが、自由なだけに何を選ぶのかが難しいのです。また、どうやって、そのインパクトを測定するのかというのも容易ではありません。インプット、アウトプットまでは把握できますが、アウトカム、即ち社会にどのような影響があったかというところまでは中々たどり着けない。そこはほかのスクールも苦労されているところなので、情報の交換などをしながら進めています。苦労もたくさんありますが、データには物事を動かす力があるので、組織の改革に関わることができる、やりがいのある仕事です。また、認証取得プロセスにおいては、外部の評価機関がいい意味でプレッシャーをかけてくることで、教育や研究でどういう成果を上げなければいけないのかを考え、議論する機会ができるのは、研究科にとって大きなメリットだと思います。
学生のみなさんには、一橋は国際認証を取得しているスクールであるということはもちろんですけれども、まずはこういう教育、こういうリーダーシップを輩出していこうというスクールだということを理解していただくために、ぜひスクールのミッションに興味を持っていただきたいです。また、皆さんは世界的なAACSBという認証機関に、質が担保されている教育を受けていらっしゃるということを知っていただけると嬉しいです。
加賀谷哲之(経営管理研究科 教授)
大学院経営管理研究科・経営管理専攻/商学部(SBA)では2021年7月にAACSB国際認証を取得しました。経済や社会におけるグローバル化が進展するなか、ビジネススクールでもより世界を意識した取り組みが不可欠となっています。こうした取り組みを進めるにあたって、国際認証は欠かせません。海外のトップスクールとの教育面、研面等での交流を行うにあたっては、国際認証の取得が前提となるためです。2021年7月にAACSB国際認証を取得して、改めて実感したのは、教育・研究活動などの取組みとその成果を定点観測し、研究科・学部の取組みを改善し、教育・研究の質を継続的に向上させることを組織全体で取り組むことの重要性です。またそうした取り組みや成果を外部ステークホルダーに報告し、アドバイスを得ることでその取り組みを進化させていく姿勢も重要です。我々は国際認証の取得プロセスを通じて、カリキュラム改革を推し進めたほか、国際業績を増大させることができているなど着実に教育・研究の質を高めることに成功しています。
我々は現在、Leadership、Innovation、Integrityという3つのミッションを重視しつつ、アジアでのトップスクールとして主導的なポジションを確立することを目指しています。国際認証の取得・継続プロセスを通じて、今後も研究・教育活動の質を磨き高めつつ、そうした目標達成に向けて尽力してまいります。
関連過去記事:
・2021年7月30日掲載:大学院経営管理研究科・経営管理専攻/商学部 AACSB国際認証を取得
・2021年12月22日掲載:HQウェブマガジン 「SBAとICSがビジネススクール国際認証(AACSB)を取得」
・2022年5月11日掲載:AACSBのカンファレンスでSBAの取り組みを発表しました。