HUB-SBA MAGAZINE

MBAでの研究でさらに学びを深める意欲に目覚め、博士後期課程へ

2026年07月09日

秋山 正晴さん

2026年3月修了
AIベンチャー企業経営
秋山 正晴さん

MBAでの学びをAIベンチャーの経営に生かしたい

私は、民間の鉄道会社に所属していますが、現在はこの会社が出資するAIベンチャー企業で代表取締役を務めています。以前は、グループ企業のバス会社でも代表取締役をした経験はありますが、現在の会社が扱うAIは技術の進化が極めて早く競合も多いため、経営判断に求められるスピードも格段に速くなります。そうした中で、MBAコースで改めて経営を学ぶことを決心しました。

私は一橋大学商学部の卒業生なので、一橋の少人数教育の良さはよく知っていて、ビジネススクール選びに迷うことはありませんでした。年齢的には50歳直前での決断で、ビジネススクールに通う学生の平均年齢より上でしたが、入学してみると同年代の同期生が数名おられました。中心となる世代は30-40代ですが、同期の中で年齢の違いが上下関係を生むようなことは一切なく、少人数のグループワークでもフラットに議論し合えました。

ワークショップ担当の先生に導かれ論文完成、そして博士後期課程へ

MBAでの研究はマーケティング領域の消費者行動論に関するもので、従来、企業は商品の販売において好印象を重視してきましたが、近年は「ブサカワ・キモカワ」といった印象も注目されており、そうした「両価的印象(正負の評価が混在する状態)」を持つ商品が消費者に受入れられるメカニズムについて分析しました。消費者が日常的に購入し、パッケージの印象によって手に取るきっかけが生じやすい飲料を素材として、その視覚的な「両価的印象」が消費者の心理にどのような影響を与えるかを検証し、商品の新たな印象設計の可能性を提示することを目的としました。100名へのウェブアンケートを実施し、加えて10数名に対して一橋大学が所有する施設を利用したfMRI(磁気共鳴機能画像法)実験も行いました。その分析の結果、単なる好印象とは違った形で、購買意欲につながるということが判ってきました。これまでにも「両価的印象」の研究はありますが、購買者による商品への関与度の高いものが主な研究対象で、購買に迷いや先送りを生むなど悪影響を与えるとされていましたが、今回のように低関与商品の購買メカニズム研究としては新しい着目だったと考えています。

img_blog20260706_01.jpg
ワークショップメンバーと共に
(3列目が秋山さん、1列目右から2人目が上原先生)

この研究成果を得るまでには、ワークショップの担当教員の上原渉先生(経営管理研究科教授)に多大なるサポートをいただきました。先生からは何度も「それが本当に突き詰めたいことなの?」と問われ、さらに「それは既に先行研究で明らかになっているよね」と差し戻され、悩みと検討を繰り返していました。それでも節目節目で先生からご指導をいただき、ワークショップメンバーからも助言をもらいながら、ワークショップレポート(学位論文に相当)を仕上げることができました。

ただ、私としてはまだやり切れていないという思いが残り、2年次の年末に上原先生に相談し、博士後期課程のイノベーション・マネジメント・プログラムに進むことを決めました。私の研究にはまだ残課題があり、またニューロマーケティングという比較的新しい分野の興味も深まり、ここで終わってしまうのはもったいないと思ったからです。博士後期課程の研究の厳しさは修士とは次元が異なり、今も引き続き上原先生にご指導いただいていますが、また修行のような日々を過ごしています笑

仲間との化学反応、修了後の学びのチャンス

学びの方法は、自己啓発で参考書を読んだり通信で勉強するなど色々あると思いますが、やはり仲間と切磋琢磨してお互いに刺激を受けながら化学反応を起こすというのは、通学のMBAの良さですし、その点では少人数の一橋ビジネススクールは最適だと思います。また、MBA修了後もさまざまな研究会があり学びを続けることが可能です。さらに、仕事を続けながら博士後期課程に進む道もあり、学びのチャンスは大きく広がります。是非、多くの方にチャレンジしていただきたいですね。

(2026年7月)

HUB-SBA MAGAZINE