HUB-SBA MAGAZINE

わたしの一冊 一橋大学教員のお薦めの本
第21回 髙須悠介(経営管理研究科准教授)

2026年01月19日

サイモン・シン著、青木薫/訳(2007/06/28)
『暗号解読』新潮文庫

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暗号は、秘密基地や必殺技と並び、幼少期に憧れを抱いた人も多いのではないだろうか。本書『暗号解読』は、そうした子供心をくすぐる暗号が子どもの遊びやフィクションにとどまらず、現実社会を支える重要なインフラであることを示してくれる。

暗号の歴史は古代の素朴な暗号法にまで遡り、戦時中、とりわけ第二次世界大戦を通じて大きな進化を遂げ、今日の情報技術の基盤を形成してきた。その過程では、現在のコンピューターの原型となったチューリングマシンも登場する。

サイモン・シンの語り口は非専門家にも分かりやすく、エンターテインメントとして楽しみながら暗号技術の歴史と基礎に触れられる(私自身も素人なので、分かった気にさせてもらっているだけかもしれないが)。同著者の『フェルマーの最終定理』も非常に面白く、おすすめである。

私は学部時代、青春18きっぷで鈍行列車に揺られながら本書を読んだ。タイパを重視するとされる今の学生には合わないかもしれないが、興味があれば本書を携え、時間を贅沢に使う旅に出てみてはどうだろうか。

【Information】一橋大学附属図書館

サイモン・シン著、青木薫/訳(2007/06/28)『暗号解読』新潮文庫

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