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「第56回内藤章記念賞論文」経営管理研究科より4名が入選しました

2024年04月01日

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左から古川さん、横倉さん、和田さん、堀内さん

去る3月15日、学位記授与式当日、別館中会議室にて、第56回内藤章記念賞論文入選者の表彰式を行いました。

内藤章記念賞は、本学の前身となる東京高等商業学校、東京商科大学において、銀行論、金融論、貨幣論等の講義を担当された故内藤章先生の門下生が、昭和42年12月、本学学生の金融論、貨幣論等の研究を奨励するため、一橋大学に内藤章記念賞基金を寄付され、毎年1回、広く学部及び大学院の学生から論文を募集するものです。表彰式に出席した入選者には青木人志理事・副学長(教育担当)から表彰状の授与と祝辞が贈られました。


経営管理研究科の入選者論文テーマ・コメント

「我が国の信用組合におけるガバナンス構造とパフォーマンスとの関係」(2等)
経営管理プログラム 堀内義裕(2024年3月修了)

今回、内藤章記念賞に入選することができ、大変うれしく思っています。MBAの2年間では、経営戦略や財務分析、人材マネジメント、経営哲学など幅広い経営知識を学びました。加えて、専門職業人養成プログラムの一つである医療経済プログラムにも参加しました。 これらの学びを通じて強く感じたことは、エビデンスに基づいた合理的な意思決定の重要性です。

そこで、ワークショップレポートの執筆を通じて定量分析を習得したいと考え、安田行宏先生(経営管理研究科教授)のご指導を仰ぎました。今回応募した内容は研究成果を活かしたものであり、データセット構築から論文構成まで、丁寧に取り組んだことを評価いただけて感謝しております。

修了後は、MBAの学びを日々の業務でアウトプットし、企業価値の向上に貢献したいと考えています。例えば、ピープルアナリティクスの仕組みを応用したインターナルブランディングの取組み推進や、中長期的な経営ビジョンに基づいた合理的な資本配賦の決定等に貢献したいと考えています。
 

「日銀の金融政策下における裁定投資家と本邦金利期間構造の関係性-裁定投資家の存在を考慮した投資戦略の模索-」(佳作)
金融戦略・経営財務プログラム 和田尉吹(2024年3月修了)

この度、光栄な賞をいただき、本当にうれしく思っております。2年間、金融戦略・経営財務プログラムの環境、特に本多ゼミで勉強できたことは、大変貴重な経験となりました。

運用者として金融マーケットと向き合いながらの学生生活は両立が大変ではありましたが、「自分の問題意識に基づいた先行研究の調査」、「データや統計を用いてそれを再現すること」等、普段の業務だけでは出会えなかった学問ならではの観点は私にとって大きな財産となりました。

上記に関してはまだまだ至らぬ点が多いのですが、これまで論文を「(要旨や結論だけ読む等)なんとなく読んでた感」を痛感することができたり、講義や修論作成の過程でRやSTATAの統計ソフトを使う機会が多く、入学前はExcelしか使えなかった自分にとってはそれらに慣れた点も良かったです。

成長を感じる一方、講義の内容がうまく消化できなかったり、修論がなかなか進まなかったり、辛い局面もありましたが、今日まで何とか全うできましたのは皆様のお力添えのおかげと感謝しております。 最後になりますが、大学院修了後も学んだ事を活かし、全力で業務に取り組む所存です。
 

「日本企業における現金保有に対する市場評価と社外取締役の与える影響に関する考察」(佳作)
経営分析プログラム 横倉幹人(2024年3月修了)

私は、全日制の経営分析プログラムにおいて、社会人生活から離れてMBAでの勉学に励んできておりましたが、これまで接してきたビジネスやニュースの裏にこんな企業の戦略や経営学の理論があったのかと気付かされることばかりでした。社会人として10年程度の経験を総括しつつ、理論的なことを学びたいと思って入学しましたが、座学のみならず、教授や同級生などとの議論なども通じて、より実践的な「知恵」へと昇華することができたと思います。

その中で、自らで興味を持ち、解き明かしたいと考えた「日本企業の内部留保」について、データを用いて分析し、その現象の背後の因果関係に関する考察を論文としてまとめましたものが、今回入選することができました。その方法論をゼロから学ぶことのできた環境にとても感謝しています。MBA生活を修了し、これからまた実業界へと戻ることになりますが、この2年間で学んだ知恵と経営現象の背景にある因果関係を考察する方法論を活かす機会が多くあるので、引き続き励んでいきたいと思います。
 

「予測不可能なショック(COVID 19)におけるコミットメントラインの市場評価に関する実証分析」(佳作)
経営管理プログラム 古川温基(2024年3月修了)

今回応募した論文は修士論文に相当するワークショップレポートをベースに書いたものです。ワークショップレポートは、安田先生からご指導をいただき、仲間と議論し、そして自分で考え抜いて執筆した「在学2年間の総合的な成果」だと考えています。今回はその「総合的な成果」を評価していただけたことをとてもうれしく思っています。

論文執筆では、論理的に仮説構築を行い、その仮説を検証するために必要な分析を考え、得られた結果から主張できることと主張できないことを考えることを通じて、論理的に考え抜く力をトレーニングできました。このように考えることが事象の裏側にあるメカニズムを読み解くことに必要なことで、ビジネスでも重要な能力だと考えています。

私がMBAで学んだ重要な考え方の一つに「なぜを問う」ということがあります。そしてMBAを修了する今、「"なぜ"、MBAに来たのか」を改めて問わないといけないと思っています。私にとってそれは「高度な経営人材になるため」「自分の所属会社の経営戦略を立案・検討する職務に携わるため」です。この2つに向けて飛躍できるよう、今後はビジネスの前線でMBAでの学びを実践していきたいと思います。
 

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