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コア科目「経営戦略」(春夏学期)~加藤教授に聞く

2024年03月12日

講義「経営戦略」は、経営管理プログラムおよび経営分析プログラムにおいて1年次の必修科目として春夏学期に開講されています。経営戦略の主要な領域である競争(事業)戦略と全社戦略について、(1)講義、(2)ケースディスカッション、(3)個人レポート、(4)グループワーク、の4点を組み合わせて、経営の基本的な考え方を理解するとともに、それを応用するための基盤となる能力を修得していきます。2年間のMBAコースのスタート地点において履修する本講義について、加藤俊彦教授に伺いました。


MBAプログラム導入時の重要科目

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この講義は、経営戦略論の基本的な考え方を理解した上で、現実の状況に適用できる水準で、分析・策定するための基本的な能力を獲得することを最終的な目標としています。また、「経営戦略」は、財務会計に関する基本的な知識を学ぶ「財務会計」と、ゼミナール形式で「読み、書き、考える」を徹底的に身につける「導入ワークショップ」とともに、経営管理プログラムと経営分析プログラムの1年次における春夏学期の必修科目として設定されており、これら3つは導入時の科目として重要な意味を持っています。

ケースディスカッションでは、実際のケースを教材として使いますが、決まった答えを当ててもらったり、その答えを学んだりするというものではありません。紙上のテストとは異なり、実際の企業経営では唯一の正しい答えはなく、考えるべきポイントも、それに対する方策も、さまざまに考えられます。したがって、事前にケースを読み込んで自らの考えをまとめた上で、クラスで他の人と議論をして、さらに考察を深めていくことで、ケースディスカッションがはじめて意味のあるものになります。

また、講義を通じて考察を深めていくためには、個人レポートやグループワークなど、講義の時間だけではなく、講義外での相当量の作業や学習が欠かせません。

「理論と現実の往復運動」

一橋ビジネススクールでは、学んだ知識が実際に活用できるように、「理論と現実の往復運動」を教育コンセプトとしており、理論面の学習と実際の状況に関する考察の双方を重視しています。また、本を読んでわかることをただ表面的に学ぶのではなく、それを現実の状況に当てはめて戦略の分析・立案ができるようになることを目標としています。

実際の企業経営において、教科書に書いてあることをそのまま当てはめるだけでは、優れた方策にはあまりつながりません。その一方で、特定の視座を持たずに課題を解決しようとしても、目の前の現象に振り回されてしまいます。直面する状況を適切に認識して、有効な方策を立てていくには、現象の背後にあるメカニズムを読み解くことが必要です。そのための効果的な手段の一つが、理論的なフレームワークをしっかり身につけて、それをベースとして考えていくことだと、私は思っています。

MBAでの学びを生かす

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MBAでは、自分で考える以上のことが既に理論化されていると知ることになりますが、そうした理論を単に知るだけではなく、自分自身で使いこなすことができるようになれば、大きなアドバンテージになります。ただし、「知る」から「使いこなす」レベルに至るにはもう一段の成長が必要です。そのためには、MBAを修了したのちも、自分で経験を積み重ねてより高いものにしていくことが大切です。MBAでの学びを基に、ビジネスの前線で個人のキャリア、そして引いては社会の発展に貢献していただきたいと願っています。

教員としての思い

一橋ビジネススクールの特徴の一つは、教員の指導の手厚さにあります。それは、現在の経営分析プログラムの前身である「修士専修コース」が1996年に創設されたときから、長年にわたり引き継がれています。例えば、この「経営戦略」の講義においても、提出されるレポートには、一人ひとりにフィードバックを入れて返却するようにしています。また、特に時間をかけて考察したレポートからは他の人々が学べることも少なくないことから、優れたレポートを受講者の皆さんと共有して、議論することもあります。

MBAプログラムで学ぶ皆さんは、今後のキャリアを左右するような局面にいると思います。そうした特別な2年間で大きく成長を遂げられるように、少しでも手助けできればという思いで日々向き合っています。

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