HUB-SBA MAGAZINE

MBA修了後もともに学ぶ 「事業開発ワークショップ」報告会開催

2024年02月05日

img_blog20240205_01.jpg

12月20日、本学経営管理プログラム修了者を中心とする有志による事業開発ワークショップの報告会が行われました。本ワークショップは、経営管理プログラム第1期生の下河辺さやこさん(小学館 ユニバーサルメディア事業局 コンテンツ事業推進センター 編集長、写真中段)が発起人となり、代々の修了者の中で特に新規事業や事業開発に携わるメンバーが集まり始まった勉強会で、その後、修了者以外の参加者も加わり、大きく拡充してきています。現在、本学の客員教授として「ビジネスデベロップメント」の講義を持つ秦充洋教授(写真上段)がアドバイザーを務め、およそ20名のメンバーが毎月のワークショップに参加しています。

今回の報告会では、1年間にわたるグループワークの成果を各チームがプレゼンし、参加者の投票により優秀賞が選ばれました。ほかに、秦教授と下河辺さんがそれぞれ推薦するチームも奨励賞として選出されました。

本ワークショップは、MBA修了後の交流というだけではなく、MBAでの学びを実業に活かすためより進化した議論を続けていることや、一橋ビジネススクールの外にもネットワークが拡がっていることで、今後さらなる発展が期待されます。

下河辺さやこさん(「事業開発ワークショップ」発起人)

2020年3月の修了後、ファッション誌の編集部から新規事業の部署に異動になりました。事業開発の手法は秦先生の授業でひととおり習いましたし、ビジネススクールで学んだことが随所に活かせそう! とワクワクしたものの、実際にさまざまなことを検討しはじめた段階で壁にぶち当たったんです。新規事業を本気でやろうと思うと、既存事業のサプライチェーンにないプレイヤーの協力が必要で、ネットワークが必要だと痛感しました。 周囲を見回すと、やはり同じようにMBAを取得した後、事業開発の担当になる方は少なくありませんでした。そこで、各社の新規事業担当と課題を共有したり、協力しあったりできるような会を開くことにしたのです。

初年度は、各社の現状を伺って質疑応答をする、という形式をとっていました。それはそれで学びが多かったのですが、2年目の途中から秦先生にオブザーバーとして入っていただいたころから、せっかく期を超えてさまざまな企業の方が集まっているのだから、改めてワークショップをやりたい、と考えるようになったのです。そこで3年目の2023年は、一橋ビジネススクールの修了者に加えて、修了者の会社のお仲間や、経営層に入られた方からご推薦いただいた方々にもご参加いただき、ワークショップ形式で新規事業をご考案いただきました。

参加者を、修了者以外にも広げたことには理由があります。これはMBA共通の悩みでもあると思いますが、ビジネススクールで学んだことを会社で活かそうとしても、共通言語が少なく、物事の捉え方や考え方に齟齬が生まれることが多々あるのです。「理屈ばかり」ではない、生きた学問にするためには、仲間が必要です。このワークショップを通じて、理論を実践に役立てるための社内ネットワークができればいいな、と考えました。

来年からもワークショップを続けていく予定ですが、新規事業担当のネットワークを広げること、ご自身の会社に学びを還元することができるよう、引き続き気を配っていくつもりです。また、このワークショップで生まれた事業が、いずれ実現することを願っています。

松尾良馬さん(ワークショップ参加者、最終報告会優秀賞チーム代表)

img_blog20240205_02.jpg

私は広告代理店で新規事業/サービスの企画・立案を担当しています。マーケティング畑出身ということもあり、生活者・プロダクト視点からの事業立案がほとんどでした。しかし、より影響力ある事業を作るためには、マーケティング視点以外にも調達や組織作りなど、事業立案のプロセスを多角的に学ぶ必要があると考えていました。そこで一橋ビジネススクールの経営管理プログラムを修了した上司から、このワークショップの紹介を受けました。内容を見たところ、自分の学びたい事柄とピッタリ合致すると考え、参加しました。

ワークショップでは、新規事業の立案に関する重要なポイントを、起案初期から起業直前まで、体系的に学ぶことができました。「そのプロダクトは世に出す価値があるのか」「どう事業検証すべきか」「投資家とどう向き合う必要があるのか」「どう魅力的に説得すべきか」これらを常に問われながら、チームメンバーと試行錯誤しつつも立案を進めていきました。事業開発に関する知識が体系的に整理されているので「再現性」がある点も特徴です。今後、教えていただいた事業立案スキームを、社内で実践しつつ、還元していきたく思います。

HUB-SBA MAGAZINE