HUB-SBA MAGAZINE

宮川幸子さんが日本ベンチャー学会 清成忠男賞(論文部門)を受賞しました。

2022年01月24日

宮川幸子さん
宮川幸子さん

2021年12月3日〜5日、日本ベンチャー学会第24回全国大会がオンラインで開催され、本学の大学院生である宮川幸子さん(一橋大学大学院経営管理研究科博士課程)が、栄えある清成忠男賞(論文部門)奨励賞を受賞しました。日本ベンチャー学会は、ベンチャー・ビジネスを対象とする学会であり、この分野において最も優れた論文が学会賞の対象となります。

宮川さんは、弁理士として、中国に進出する日系企業を支援する業務に携わる中で、中国のスタートアップ企業の活躍を目の当たりにし、その成長のメカニズムに興味を持ち、博士課程への進学を決心しました。現在、同課程において博士論文の執筆に取り組んでいます。

今回、宮川さんが受賞した論文は、「リードユーザーを複数コミュニティの結節点とした情報集約構造の構築」(『日本ベンチャー学会誌 Venture Review』No.37、2021年)と題するもので、スマートフォンで有名な中国のシャオミの事例研究をテーマとしています。シャオミが優れていた点は、一般ユーザーに直接アプローチするだけではなく、自社製品のリードユーザーに一般ユーザーのコミュニティを活性化させる役割を担わせていたことにありました。シャオミはそこで得られた情報をリードユーザーを介してシャオミに還流させることで、後発ながら短期間のうちに大量の顧客を獲得することに成功しました。受賞論文では、こうしたシャオミの巧みな間接的マネジメントが鮮やかに分析されています。

大会の際の表彰式では、本論文は日本では入手し難い中国語の文献を多数引用していること、および実務的な示唆に富んだ内容であることが非常に高く評価されたとの講評がありました。

一橋大学大学院経営管理研究科(HUB)は、日本における商学・経営学研究者の教育の拠点として、これまで数多くの研究者を輩出してきました。今後も社会科学分野で研究者・大学教員を目指す人々に対して、一橋大学大学院は魅力ある教育を提供します。

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