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一橋MBAでの学びがビジネスコンペで活きました! :日本ビジネススクール・ケース・コンペティション(JBCC)2020でSBAのチームが優勝

2021年02月18日

JBCC 2020 で優勝した一橋ビジネススクール経営管理専攻板橋チーム本年度で11回目となる日本ビジネススクール・ケース・コンペティション(JBCC)2020において、一橋ビジネススクール経営管理専攻(School of Business Administration:SBA)の板橋洋平チームが、11月8日の本選で優勝を果たしました (*)。

(*板橋チームは、優勝・文部科学大臣賞の他、日本経営ゴーイングコンサーン賞、DIAMOND・ハーバード・ビジネス・レビュー賞も併せて受賞しました。)

本年度のケースは、業績伸び悩みとコロナ禍に直面した架空のスポーツ用品メーカー社長を主人公としたもの。このケースをもとに、14校の140チームが、コロナ禍からの脱却と10年後を見据えた成長戦略を描き、競い合いました。

優勝チームのメンバーは、経営分析プログラム(国立)修士1年(M1)の板橋洋平さん、武田建晃さん、増井成美さん、松原可南子さんの4名と、経営管理プログラム(千代田)M1の水野隆晴さん。5名とも社会人学生です。5名中3名が藤原雅俊准教授の「戦略分析」の授業を受講していた関係で、藤原准教授の司会のもと、優勝を振り返る座談会が行われました。その概要を紹介します。

コロナ禍における一橋MBAプログラムでの出会い

まず、国立-千代田混成チームの結成の経緯について。「4月に入学したものの、コロナ禍で入学式も研修も中止され、誰が同級生かさえ名簿でしかわからない状況でした。その中で、M2の知り合いの先輩を通じて、JBCCに挑戦するといいとアドバイスしてもらった人同士4人がまず繋がった。その後、オンラインの授業や懇親会で熱い発言をしていた武田さんを誘って5人になりました」(板橋さん)。「国立で学んでいる会社の先輩が、千代田と国立の架け橋にならないか、と声をかけてくれました」(水野さん)。

チームは20回以上ミーティングを重ねて、分析や発表内容を練り上げていきました。そのうち対面で5人が集まったのは予選資料提出の直前と、本選資料提出の直前の2回だけで、あとは全てオンライン。授業も前期は全てがオンラインとなる中、「経営戦略や財務会計などの授業で学んだことを、アウトプットとしてJBCCのケース分析に出していけたのでやりがいを感じました」(松原さん)。「学んだことを自分で使うのがどれだけ大変かを、身をもって感じた経験でした」(武田さん)。

MBAで学んだケースの読解力とプレゼン能力

優勝を喜ぶ板橋チーム他に、日頃のMBAでの学びがどのように活かされたのでしょうか。「ケースを読み取る際の視点・観点に、古典講読や経営戦略などで身につけた基本が役立ちました」(増井さん)。「戦略を描く時、テクニックに惑わされずに一つの線を描けたのは、古典講読の授業のおかげ」(武田さん)。「経営戦略の授業は、解像度を高くして想像する際や、ターゲティングをしっかり行う際に有効でした」(水野さん)。「私たちの発表のポイントとなった、新規戦略の彩度をどこまで高めるかについては、戦略分析の授業が役立ちました」(松原さん)。「審査員から『人を動かすプレゼンだった』という講評を頂戴しました。人を動かすこと、あるいは、企業として物事を成す時に経営者がどういう良心を持つべきかについて、戦略分析や経営哲学で学んだことが役立ちました」(板橋さん)。

チームの勝因の一つは、板橋さんによれば、各々が自分たちの強みや役割を見出していったことだと言います。「データ周りに関しては松原さん。仮説を立てた後、3日後には数字の裏付けを示してくれました」(板橋さん)。「水野さんは広い視野のもと、誰よりも早く、広く、深いリサーチをしてきて、この先にまだ一段先があるのか、と思わされました」(武田さん)。「新規戦略としてスポーツ用義足の提案を行いましたが、これは武田さんの熱意の賜物です。本当に、このまま製品化してしまうんじゃないかと思うくらいの熱意で、私たちの心を動かしました」(増井さん)。「他の皆が突っ込んでいくのを、増井さんが調整役として、いつもマイルドにバランスを取ってくれました」(松原さん)。「最初のフレームワークのところなど要所において、板橋さんが一度立ち止まってしっかり方向づけしてくれたことが勝因だと思います。最後まで、熱をもって皆を引っ張ってくれました」(水野さん)。

コンペ参加でより明確になったMBA取得の目標

MBAも残すところあと1年ということで、皆さんに今後の抱負についても語ってもらいました。「自分に不足している経営組織の学びを深めて、体系的な学びにつなげていきたい」(増井さん)。「経営戦略を中心にあと1年しっかり学んで、実務に戻った時に使えるようにしたい」(水野さん)。「会計、財務分野は、自分の手を動かして形にできるまでにすることが目標。新規事業の立ち上げなども含め、会社を動かしていく基礎力を身につけたい」(松原さん)。「数カ月間、JBCCにピュアに全力で取り組むことができ、贅沢な時間を過ごしました。あと1年を同期の皆と思い切り楽しみ、また派遣元に戻って世の中の役に立ちたい」(板橋さん)。「自分の会社が多角化していく際に今回の学びを生かしたい。来年度はJBCCの実行委員会にも入るつもり。より多くの大学に参加を促し、さらに盛り上げていけたらと思います」(武田さん)。

藤原准教授によれば、「MBAでは横のつながりが後々の財産になる」とのこと。話題が尽きない中、最後は、「このチームワークをぜひ維持して、さらに発展させていっていただきたい」との言葉で、座談会は締めくくられました。

一橋ビジネススクール経営管理専攻板橋チームのメンバー

(写真撮影のため一時的にマスクを外しました)

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